経静脈栄養と経腸栄養について
2017.4.16
こんばんは、獣医師の加地です。
先日、経静脈栄養と経腸栄養についてのセミナーに参加して来ました。
簡単にいうと、様々な原因によって食事から十分な栄養をとれない動物にチューブを使って栄養補給する、というものです。
チューブの設置場所は様々あり、血管に設置したら経静脈栄養。 腸管につなぐように設置したら経腸栄養といいます。
経静脈栄養は、
⚪︎体中心部にある太い血管を利用する中心静脈栄養
⚪︎手足の血管を利用する末梢静脈栄養
に分けられます。
経腸栄養は、
⚪︎鼻に入れる経鼻食道チューブ
⚪︎喉元に入れる咽頭造瘻チューブ
⚪︎食道に入れる食道造瘻チューブ
⚪︎胃に入れる胃造瘻チューブ
⚪︎腸に入れる腸造瘻チューブ
などに分けられます。
これらの中から動物の病気、麻酔可能かどうか、入院期間、性格などを考慮して適したものを選択し、栄養補給を行います。
例えば、口が痛くて食べられない、麻酔は可能、性格が穏やかでチューブを入れても管理可能なら食道造瘻チューブや、胃造瘻チューブを選択します。
実際に当院でも少し前まで食道造瘻チューブから栄養補給を行なっている猫ちゃんが入院していました。
このこは、顎が外れてしまい口を開けることが出来ないため、顎が固定されるまで食道造瘻チューブを設置しチューブ用の流動食や缶詰をミキサーにかけたものチューブから与えて栄養補給をしていました。
顎が固定されるまではなかなか日にちがかかりましたが、チューブのおかげで栄養摂取をすることが出来、この猫ちゃんは元気に生活でき、無事回復して退院をしました(^_^)