歯の破折

2021.2.7

こんにちは。獣医師の鈴木です。

先日、歯が欠けてしまった猫ちゃんが来院され、歯を温存するために歯の中の神経を抜く処置(抜髄根管治療)を行いました。

この猫ちゃんは、遊んでいる最中あるいは何かが原因で、上顎の犬歯が半分くらいに折れてしまい、歯の中の神経(歯髄)が見えている状態でした。このままの状態だと、歯髄から感染を起こし、顔が腫れるなどの症状が出る可能性があるため、抜歯あるいは歯を温存するために抜髄根管治療が必要になります。

歯科用レントゲン検査で歯の根元を確認したところ、感染を起こしている様子が無かったため、抜髄根管治療(歯髄を取り除き、その空間に充填剤を充填する処置)を行いました。欠けてしまった部位はコンポジットレジンで埋め合わせて処置を終えました。

歯髄の除去
破折部位をコンポジットレジンで埋める

気が付いたら歯が欠けていた・折れていたということは、意外とよく見かけ、状態が進行し抜歯が必要になることも珍しくありません。硬いおもちゃや骨・ひづめを嚙むことが原因となることが多いと言われています。

動物達の歯は、一見すごく硬そうで折れにくそうですが、欠けたり折れることが日常生活の中で起こることがあるので、日頃の歯磨きの時にお口チェックも心掛けましょう。