口や鼻の腫瘍のセミナーを受けて

2017.11.26

獣医師の加地です

先日、口や鼻にできた腫瘍の手術についてのセミナーを受けてきました。
悪性腫瘍の手術の場合、完全に取りきることが必要なため、可能であれば広い範囲で切除を行います。
しかし、口や鼻にできた腫瘍を広く切除した場合、生命には直接関わらないものの、機能・容貌の損失が大きいというデメリットがあります。
そのため、腫瘍を取り切りつつ、機能・容貌の損失を少なくするということが重要となります。
腫瘍を取りきるためには事前にCT撮影を実施して手術計画を立て、実際の手術の時には肉眼で病変を確認しながら切除を行います。
機能・容貌を維持するためにはくさび形切除や、前進皮弁、回転皮弁等による皮膚再建術、口唇粘膜による鼻腔の再建術等、様々な方法を用います。
これらの手術により無事腫瘍を取りきることができればいいですが、残念ながら取りきることができなければさらに広い範囲で切除する拡大手術が必要となったり、どうしても腫瘍が取り切れないケースもあります。
今回講師で来られた先生は、『以前は治療することができなかった腫瘍でも今なら治療できるものもある』とおっしゃっていました。
それは獣医師本人が試行錯誤をして、経験を積むことによって治療可能となるものや、科学の発展によるところもあると思います。今回のセミナーはかなりハイレベルな内容でしたが、このように最先端で治療を行っている獣医師たちの活躍によって、今後もより多くの病気が治るようになればと思います。